社長の急死による自社株式未分割とみなし役員

Q 当社の発行済み株式の95%を所有している社長が死亡し、現在まで自

社株の遺産分割が終了していません。この株主の相続人は2人の息子だけ

ですが、両者とも当社の従業員として勤務しています。この2人はまだ取締

役には就任していませんが、先代の社長時代から当社の経営者会議のメ

ンバーとして会議に参加しています。次回、この2人に支給する賞与は役員

賞与になるのでしょうか。

 

A 被相続人が所有していた株式は、2人の相続人が半分ずつ相続したもの

とみなされるので2人の相続人はいずれもみなし役員として取り扱われること

になります。

 被相続人の遺産は相続人間で分割されるまでの期間、相続人の共有財産

として取り扱われることになります。そして相続人が民法の規定による相続分

に応じた割合を所有していることになりますし、法人の経営に従事しているの

で、みなし役員に該当することになり、この2人に支給する賞与は、法人の各

事業年度の所得の金額の計算上は損金として算入されないことになります。