決算書が優位判断の主役に

財務諸表による経営品質測定で再チャレンジ社会へ

 06年10 月28 日の日本経済新聞一面記事「中小企業金融公庫、来春から経営者の保証不要」は中小企業経営の”格付け評価”が本格化される幕開けを意味しています。

 この制度は金融機関が企業から「正しい財務諸表と四半期(3 ケ月)ごとの決算報告」の提出を受け、その企業の財務健全性と収益と将来性などを評価し、格付けによって無担保・無保証融資をする制度です。従って貸借対照表と損益計算書が担保ということになります。

 つまり、大企業並みの「正確な四半期決算報告書」を提出できる中小企業であればこの恩恵を受けられます。大変厳しい条件にも見えますが、そのような企業づくりが求められる時代に入ったと言えるでしょう。

 更に大切なことは”四半期ごとの利益確保”です。報告書がいくら正しくても業績が振るわなければ評価が下がり、融資側はリスクヘッジを考えるようになります。上場企業が四半期業績報告を常に気にしながら株主対策を講じている姿が連想されますが、正に中小企業も四半期業績報告を意識
した経営が求められます。

 本制度は当面メガバンクから導入され、いずれ全金融機関の常識となり、不動産担保の有無に関係なく「財務諸表担保」社会となるでしょうから、一歩先んじて活用されればチャンスにもなるかも知れません。